キャノンデール・システムシックス
今までエアロロードをかたくなにリリースしてこなかったキャノンデールが遂に出してきました。しかもかつてカーボンとアルミのハイブリッドとしてリリースしていたシステムシックスの名を冠して。
なにやら不思議な感じがします……。
アウトボードステアリングコラムを採用したフロントフォーク。キャノンデールはかたくなに細身の曲げフォークを採用していたが、近年ストレートになり、このシステムシックスでオーバーサイズになった
専用のエアロシートポストを装備
はい、マヴィックのスピードリリーススルーアクスル規格を採用!
タイヤに沿った形状をしたシートチューブ
ダウンチューブのフラットな面が四角でなく楕円の組み合わせのようになっているのは、おそらくボトルケージを付けた状態での空力を意識しているからではないか
トレックに影響を受けたと思われるダウンチューブのジャンクション格納部。ダウンチューブの内側が真っ平らなのはこれまたお約束のカムテールデザインを採用したから。
ワイヤはアウトボードステアリングコラム部とそのカバー、さらにヘッドセットの上ワン部を利用してフレームに内蔵される
BB部はキャノンデールお約束のBB30A
真正面から。前面投影面積はかなり狭そう
シートステーがこんなに幅広なのは、もちろんタイヤクリアランスのためではなく空力を考えてのことだろう。フロントフォークの左右への張り出しと同じ。モノステーからダブルステーへの変遷の結果がここまで広くなった設計と言える。快適性を保ちつつも、乗り手の力を逃がさないようにしているかと
Giro101 Tech: Prototype Cannondale System Six aero disc road bike spotted!
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スーパーシックスエヴォで、丸いチューブで空力は十分。わざわざ形状を変化して空力に特化するよりもバランスが取れて居る方が重要! と言い続けてきたキャノンデールが遂に折れました(苦笑)。きっとマドンの成功を見て、いてもたってもいられないという感じになったのではないでしょうか?
キャノンデールの元祖空力バイクといえばスライスなのですが、私はあまり好きではありません。なぜなら……、かっこわるいからです(笑)。特に空力に重要とされるシートチューブの形状が、キャノンデールの悪いところが前面に出たデザインになってしまっているんですよ。
ところがシステムシックスはスライスの影響を受けながらも悪くないデザインにまとまっています。というか本当にマドンにかなり影響が……(苦笑)。もちろんISOスピードも付いていないですし、フロントフォークのアウトボードステアリングコラムはシステムシックスとしてのアイデンティティを主張しているのですが。
このバイクでまっともキモとなるのはフロント周りです。アウトボードステアリングコラムとカバーを付けることでヘッド周りはかなりの長さの空力断面形状を持たせることが出来ます。さらにフレームとの一体性も特筆すべきでしょう。ダウンチューブからクラウン部にかけての滑らかな作りは非常に立体的で、カーボンにしか出来ない造形です。
ディスクブレーキはおそらく標準装備でしょう。空力的にもキャリパーブレーキより優位なようですし、これからのことを考えればディスクブレーキモデルしかなくても構いません。マヴィックのスルークイックがちょっと不安ですけど、クイックさえあればホイールは互換性があるのですから、そこまで問題ではないのでしょう。
ジオメトリーの詳細は不明ですが、かなり前傾姿勢になりそうです。確かにちょっとしたエアロ用品より、ポジションの方が段違いに効率を上げられますからそういう考えはわかるのですが……。市販時にはより一般的なポジションが取れるようになっているかもしれません。
なにはともあれ2019年、要注目バイクに上げられる一台です。
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