キャニオン・ラックスCF SLX & SL
29er XCバイク、ラックスがモデルチェンジです。
●スペック
■サイズ 29er
■フレーム キャニオン・ラックスCF SLX カーボン フォックス・フロートファクトリーDPSリモート(100ミリトラベル)
■フォーク フォックス・32ファクトリー(100、110ミリ)
■メインコンポ シマノ・XTR 1×12
■ホイール DTスイス・XRC1200スプライン
■重量 9.9キロ(フレーム:1985グラム)
標準装備のステアリングストッパー。フォークコラム側に固定された突起とフレーム側のストッパーでフォーククラウンがダウンチューブにぶつかって破損するのを防ぐ
一見すると工具を用いないと外せない様に見えるリヤスルーシャフトだが、レバーを内部から引き出すことによりそのまま着脱が可能
2019 Canyon Lux reshapes XC/XCM race mountain bike with all-new, lightweight 100mm carbon frame
https://www.canyon.com/de-jp/mtb/lux/f-lux-cf-slx.html
TEXT
このラックスCF SLX9.0 レース、高級バイクです。日本円で60万オーバーです。でも……、安い! いや、絶対的にはもうそりゃ高級車です。でもこの価格で29erフルカーボンバイク、カーボンホイールにハイトアジャストシートポストが着いて、フロントシングルとはいえ9.9キロなんですよ。いやあ、前後ショックもフォックス・ファクトリーモデルですから、カシマコートモデルですし。もう買い換えるところがないようなバイクです。
リヤサスはシングルピボット式の100ミリトラベル。メインピボットはフロントチェーンリング先端とほぼ同高さに揃えられており、ペダリング時の過剰なキックバックを抑制します。
リヤショックへの入力リンクはシートステーの延長のようなデザインをしておりねじれに強そうです。このリンク、非常によく考えられています。二重のリンクになっているのですが、片方へのカートリッジベアリングの埋め込みは当たり前なのですが、もう片方へもブッシュを取り付けており、さらにそのブッシュはフランジ付きでそのフランジがリンク同士の接合面にくるようになっているので、ねじれ方向への負荷がリンクをゆがませて互いに接触するほど掛かる場合、もしくはちょっと接合ボルトを強く締め込んでも動きを妨げないようになっているのです。深溝式のベアリングならばラジアル方向とアキシアル方向両方のベクトルに対応しているので大体一つで済ませられます。しかしリンク同士の摩擦が生じるようなねじれの負荷というもの間違いなく存在します。それにたいしてはワッシャーなどでお茶を濁すことがほとんどでした。おそらくこれにはスラストベアリングか潤滑加工を施したワッシャーが必要だと私は思っていました。キャニオンはこのラックスにおいて、フランジ付滑り軸受けを採用することでどんな状況でもリンクが滑らかに作動するようにしたのです。
それと最近見られるショックへの固定部が真横になっている形式の採用ですが、これは動きを抑制することでペダリングロスを減らすことが目的ではないかと推測します。ユニットのエンドアイをベアリングかすると意外なまでにストローク感が上がります。その逆ですね。
そして秀逸だなあと思わせてくれたのはもう一つ、ボトルです。男性用サイズのみならず一般的な女性向き小型サイズにおいても、800ミリリットルのボトルを2本取り付けることが可能です! これは選手からのフィードバックでしょう。水が切れては人は1センチも走る事は出来ませんから。しかしフルサスバイクはユニットのレイアウトの関係などから1ボトルモデルが主流です。でも2本あることに超したことはないのです。もし1本で事足りる短距離なら、携帯工具でもセット出来ますし。
おそらくかなり使い勝手の良いバイクです。すでにケープエピックなどで表彰台にも上っているようですし、今後数年、目にする機会が多そうな気がします。