セラミックスピード・シャフトドライブトレイン、DrivEN
なんとも奇抜なドライブシステムです。
これらはカセット(ドリブン側)のプロトタイプ
シングルギア仕様のプロトタイプ
シャフトドライブはカーボン製。その末端に取り付けられる歯車部分は円周上に斜めに配置したベアリングが担当するようだ。このベアリング、そして斜めの配置によって変速が可能になっていると思われる
Wild CeramicSpeed Driven 13-speed drivetrain concept shifts with no derailleur
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これはなんかびっくりというか目を疑ったというか……、なんとも常識外のドライブシステムです。でもよくよく見てみれば、なるほど、シャフトドライブの発展形なのですね。それでもこういった可変式(外装変速)のシャフトドライブというのは私は初見です。いやいや、よく考えた物です。
普通のフレームにポン付け出来るわけではありませんが、普通に空間を設けることはできるでしょう。
シャフトドライブバイクは日本ではマルイシがパテントを持っています。今でも切れていなければの話です。当初、歯が欠けるというトラブルがありましたが、歯を斜歯歯車(はすばはぐるま)にすることでその問題を乗り越えました。このセラミックスピードのドライブトレインはドライブ側はまんま普通の歯車なので、ひょっとしたらそいういった変更が今後あるかもしれません。リヤはすでに斜め(60度)になっているますが、これはかみ合わせの耐久性というより変速のためだと思われます。
しかし歯の勘合部にベアリング使用するとは……、なんともスゴイアイディアだと思います。普通はこんなところにベアリングを置いたら、スリップしてしまうんじゃないかと思ってしまうのではないでしょうか? まあ確かにチェーンにだってローラーは仕込まれていますが。これはボルダーのコロラド大学との協力研究にて作られたそうです。これによって滑り摩擦をほぼゼロにすることが出来たのだとか。 この結果、DrivENはデュラエースのドライブトレインよりも49%摩擦抵抗を減らすことに成功したという話です。
この多段ギヤのモデルは実際には動かないモックアップらしいのですが。実際に動くのはシングルスピードモデルだそうです。
まだまだ完全なコンセプトモデルであるDrivEN。完成の時期もリリースの時期もまだまったく見通していないのだとか。これは楽しみな製品です。