サンタクルーズ・V10 29er
遂に姿をあらわにしたV10 29er。いきなりワールドカップで勝利です!
リヤショックはエア式ではなく、コイルスプリング式。重量ではなく性能を選択しているようだ
意外なまでにアップにしているブレーキ。ほぼ水平に近い。こういったセッティングは珍しいが、握力が少ない人などは参考にしても良いかもしれない
BB付近にガードを設置
リヤエンドはスペーサーを入れ替えることによってチェーンステー長を調整できる。
サンタクルーズオリジナルのホイール。数年前にエンヴェと組んで以来、サンタは全面的に採用している。そしてマキシスの新型。ASSECAIのブレイカーバージョン。1本で50グラム増加となるが、内部インサートがなくても良いように耐久性、耐フラットパンク性、ダンピングコントロールなどを高めている
https://www.vitalmtb.com/photos/features/WINNING-BIKE-Loris-Vergiers-Santa-Cruz-V10cc-29,11872/WINNING-BIKE-Loris-Vergiers-Santa-Cruz-V10cc-29,123341/sspomer,2
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ロリス・ヴァージエルがワールドカップアンドラ大会で使用したバイクです。いきなり勝利を飾るというのも、もちろん選手の力でもあるのですがこのバイクの潜在能力を伺わせます。前三角、後ろ三角はすでにカーボンモデルが完成していますが、リンク部分は間に合わずアルミ製です。それでもほぼほぼプロダクトモデルと言って良いでしょう。
非常にアップにセッティングされたブレーキレバーは、激しいコースが続き腰を引いたポジションを取っているとき、引きやすくなると言います。ここらへんは、実践ならではの情報です。先日のEWCのセッティング拝見の動画でもありました。あれは男子だったので、性別問わず有効なセッティングと言えそうです。
このV10 29erの勝利がもたらした意味は大きいと思われます。それは女子でもそしてDHでも29erの力を示したということ。そしてどんなジャンルでも29erを使いこなせないことには速く走れない、勝利できないということなのかもしれません。29erの力はゲーリー・フィッシャーが10年以上前に示しました。ところが各部のパーツや何よりもフレームジオメトリーが最適解を導き出せず26インチホイールに留まっていました。そこに登場したのが27.5インチホイールです。比較的26インチに近いこともあり、買い換え需要も見込めたこのサイズに各メーカーは一気にシフトしました。それが5年くらい前の話です。
昨年から出て来たエンデューロ以上への29erホイールの採用は、おそらくバイクの全ジャンルへの29er化を促すことでしょう。もちろん27.5インチがなくなることはないでしょうけど、主流は29erになるのではないか。昨年の今頃には全然考えもしなかった事態が起きようとしています。