2018ツール・ド・フランス覇者、ゲラント・トーマスのバイクを見てみよう

2018ツール・ド・フランス覇者、ゲラント・トーマスのバイクを見てみよう

正直、クリス・フルームが勝つんではないかと途中まで思って居ましたよ。しかし勝ったのは、同じピナレロ・ドグマF10 Xライトを駆る、ゲラント・トーマスでした。

https://road.cc/content/tech-news/245893-updated-bike-ridden-tour-de-france-victory-geraint-thomass-pinarello-dogma

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今年のツール・ド・フランスはフルームの5勝クラブへの入会がかかっていましたが、なりませんでした。彼は総合3位。しかしシームスカイとしては新たな覇者、ゲラント・トーマスを生み出すことが出来たので文句はないでしょう。そしてピナレロも。

他のバイクにも最強バイクと名付けることもありますが、真の最強はツール・ド・フランスと世界戦のどちらかの勝者に与えるべき称号でしょう。ピナレロ・ドグマF10 Xライトはもちろんその最強に値するバイクです。

で、彼のバイクです。

フレームのピナレロ・ドグマF10 Xライトはピナレロ・ドグマF10を60グラム軽量化したモデルです。ほんのわずかな数値ですが、選手からの要求に出来るだけ応えようというピナレロの姿勢が伺えます。また空力、剛性に優れており、ほぼ完成しているレーシングバイクです。コンポはシマノ・デュラエースDi2。ホイールもデュラエース。ブレーキはかなり勢力を伸ばしているディスクブレーキではなく、キャリパーブレーキとなっています。

ハンドルはインテグラル仕様のモスト・タロン。ステム長が130ミリというのですからかなり長めです。シートポストの出具合、ハンドルとサドルの落差からおそらくワンサイズ下のフレームを使っているでしょう。それでも違和感がないのはステムのコラムクランプ部がかなり太いこととヘッドチューブもそれに劣らないほど大容量だからかと。これはカーボン時代になってからよく使われる手法です。昔のように選手に合わせて一台一台作って居たのとは隔世の感があります。

ギヤ周りに目を向けます。クランクセットは53×39T(175ミリ)でカセットスプロケットは11-30Tです。比較的ワイドレンジを使っているんですね。ゲラントはあまりトルクを掛けていくタイプではなく、ケイデンスを稼ぐタイプであることが伺えます。もちろんプロとしてはなので、出力は高いでしょう。

タイヤはちょっとここには乗っていませんでしたが、同僚がコンチネンタル・コンペティションの25Cに乗っていたのでゲラントもおそらく同じかと。このサイズもスタンダードになりました。

全体を見ると非常にそつなく、中庸なバイクと言えるのではないでしょうか? 一般人にも参考になるところが多そうです。

 

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