ルックの工場を見てみよう

ルックの工場を見てみよう

ルックの工場の様子はあまり見られませんよね。

ブラダを中心にプリプレグを前三角にはり込む

ヘッド周辺は硬質の芯材を用いて形を整える。これは後ほどブラダの削除と内部の掃除の工程時に削除される

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フランスを、いやロードバイク界を代表するカーボンバイクメーカー、ルックです。この会社は初期から現在に至るまでカーボンフレームの権威であり続けて居ます。同国のタイムと並んで、世界中のライダーの憧れでアリ続けています。こういったメーカーは珍しいですよね。

本社、設計は前記の通りフランスフランスなのですが、製作はチュニジアで行っています。この体制は随分長いこと維持されており、今後もおそらく変わることはないでしょう。ここでプリプレグの切り出しから貼り込み、焼き、接着などを行うのですが、最終的な塗装やデカール貼りはなんとわざわざフランスに送り返して行われています。なんて面倒なと私などは思ってしまうのですが、おそらくですが、税金対策なんでしょう。完成車でフランスに入ってくるのと素材状態で入ってくるのでは金額が全く異なると聞いた記憶があります。

古くは初期のアルミラグ構造から始まり、ラグをカーボンに置き換えたフルカーボンの時期が長くありましたが、現在は前三角と後ろ三角を別々に作るいわゆる3ピースモノコックの形式を取っています。芯材に金属を用いるところも多いですがルック795近辺のモデルはブラダと硬質なコアを用いているようです。これを知れただけでも見た甲斐がありました。

工場は女性が多いですね。これはタイムの工場でもジャイアントの工場でも、フレーム以外ですがフィジークの工場でもそうでした。こういう作業って女性の方が向いているのかもしれません。

795エアロライトはおそらく理想を具現化することに躍起になり、選手ではなくメンテナンス現場からの反応は相当悪かったと推測します。まああのワイヤリングは嫌がらせみたいなものです(苦笑)。パッケージとしてはものすごく尖っていて、最高に好みでしたが(笑)。ですが今回のブレードはディスクブレーキになったことにより割り切りが出来たのか、とても扱いやすそうに見えます。それでもハンドルとステム〜内部に引き込まれるケーブル達は出先で復帰することはまず無理でしょうけど。

しかしロードバイクは速く走ることが宿命です。安全面以外ならなんでも無視して良い存在です。……言い過ぎかな? でもそれを引き出すのはメカニックであり、ドライバビリティだけではなく整備性を高めるというのはまた大切な部分だと私は思います。

良い物を見させてもらいました。

 

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