シマノが面白い事をしようとしています。
Patent Patrol: Shimano, SRAM, & Campagnolo all file major drivetrain updates
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シマノも内装ギアシステムの開発に乗り出しています。13段変速のようです。んー、素晴らしい! 今の1×12速システムの上を行きますか。このジャンルはローロフが先駆者ですが、BB回りをシステムとするのはやはりピニオンです。
このシマノのパテントモデルも一見するとピニオンにかなり似ていますが……、結構違います。ピニオンを見てみましょう。
というか、げ! ピニオンの新作が! しかも18速になって居ます!!! なんてこった……。油断はしてはいけませんね(笑)。シマノが頑張っている的に書こうと思っていましたが、ピニオン、すんごく頑張っています(笑)! はー、18速ですか! しかもレンジは636%という広さです! おおお……、見事です。6×3枚の内蔵ギヤで実現しているとのこと。従来のP1.12が4×3枚、P1.9が3×3枚だったのに対して格段の進化を遂げています。ただ犠牲となるところもあり、P1.9がP1.12になるときには2200グラムから重量増はなかったようですが、今回は150グラム増の2350グラムとなっています。それでも、この枚数をこの重量に納めてきたのは見事の一言に尽きるかと。
……話を戻しましょう。
13段でも実用的になにも問題はないでしょう。それよりも重量と変速性能がシマノに望まれる部分でしょう。そしてこの部分は良さそうな要素がこの概念図からも見て取れます。
なにせピニオンは
このような非常に重厚な歯車の作りをしています。それに対してシマノは、
7×7枚の歯から段数を生み出す構造をしており、基本的にバイク用カセットスプロケットの延長にあるような作りをしているので、かなりの軽さが期待できます。
一瞬、昔のホンダDHバイクに搭載された内装システムに似ているかとも思ったのですが、多段スプロケットが2つある時点でまったく違いますね。ただクランクに伝える場所が直線を維持したチェーンであることは共通しているっぽいです。
そうそう、こんなでした。やはり別物です。でも臭いは感じます(笑)。
今、シマノが従来になかったこういった内装ギヤシステムを開発しているのは、間違いなくEバイクを見据えてのことでしょう。ただし今までの形式はクランク部近くにモーターを設置することがスタンダードなので、これはその先を見据えたものと言えるかも知れません。……、とするとリヤハブ形式のアシストシステムも考えているかもしれませんね。
ただEバイクだけでなく、DHやエンデューロといったバイク達にも採用は出来るはずです。ギヤバーツ一式がリヤエンドからなくなることのバネ下重量の軽量化とマスの中心化、岩や木などのヒットリスクの低下は多大なるメリットです。
気になる部分として駆動ロスが挙げられます。こういったギヤtoギヤ式の変速はチェーン&ギヤの変速よりも摩擦が高く、駆動ロスが多いという話を聞いたことがあります。おそらくシマノはここに何かをして抵抗を減らそうとしています。図で一番抵抗値が低いのは『linoleic acid』か『olein acid』です。……オレイン酸とリノール酸? 植物油は一部の乗り物に使われるという話は聞いたことがありますが、バイクのような用途には向いているとは思えません。とすると、ポリオールエステルを使おうとしているのかな? うーん、謎ですね!
フロント2速は残念ながら普及には至りませんでしたが、今回のフロント13速はまた異なったものになりそうな気がします。また、ピニオンのP1.18を発見できたのも大きな発見でした。まだまだ狭いジャンルだからこそ、そそられるモノがあります。
さて、未来はどうなるんでしょう?