おお……、電動化がここまで?
https://www.pinkbike.com/news/round-up-5-interesting-patents-from-the-last-few-months.html
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『ドライブ・バイ・ワイヤ』、ここではこう記されて居ます。バイワイヤシステムはクルマの世界では一般的な技術です。入力装置と出力装置の間を電気信号で繋いでいます。その間にはセンサーや出力先の機構を動かすための動力があります(電動化より電子化のほうがふさわしかも)。
一見すると装置が煩雑になり軽さが求められる自転車には不向きな機器ですが、入力部と動作部をつなげる必要がなくなります。さらにコンピュータを仲介させることで乗り手が疲れている、または事故などの緊急事態において雑になった入力でも状況に応じた正しい制御を行う事が可能になります。また従来のバイク用ブレーキ&シフトワイヤのようにある程度の空間やテンションなどの制限からも開放されるので、魅力は存在していると言って良いかと。
クルマではアクセルを踏み込んだときにスロットルを開けるのに広く使われています。しかしそれはあくまでアクセルでの話。ブレーキではどうも失敗した過去があるらしく、一般的とは言えないようです。なのでパーキングブレーキとして普及しているとか。
ひょっとするとシマノはコントロール系の独立化というより、ブレーキ制御の均質化、高度化が目的かもしれません。エントリーグレードのブレーキにかなり以前からパワーモジュレーターを付けています。
こちらはVブレーキ用で、
https://bike.shimano.com/ja-JP/product/component/nexus-inter3/HB-IM40.html
ブレーキを最適な制動力にコントロールするという意味では数年前からロードブレーキにも導入されたサーボウェーブと同じベクトルにある技術と言えるかもしれません。
画像を見れば、STIブラケット内でエレクトリックアクチュエーターからコンバージョンメカニズムで変換を済ませています。そしてケーブルがSTI外へ伸びている……、うーん、これは無線化ということを望んだ技術ではないのかもしれません。ディスクブレーキでのハイパワーブレーキングを路面をスリップさせることなく行わせる仕組みなのかも?
かなり面白そうですが、バイワイヤシステムはセンサーと電動油圧ポンプがセットでなければなりません。電動油圧ポンプの重量、それを動かす電源、バイクという小さな乗り物での設置空間など思いつく困難はいくらでもあります。
それでもドライブ・バイ・ワイヤは自転車に置いてはかなり未来の技術だと私は考えます。電動変速ですらも相当苦労しましたから。でもやがてやってくる未来だとも思って居ます。
今のフレームデザインは良い悪いは別として、エアロに傾いています。その中で苦労していると思われるのがやはりワイヤ系の処理です。その時、こういった技術が役に立つのでしょう。そして来るべき未来、自転車はどんな形状をしているのでしょうか? ダイヤモンドフレームが完璧すぎたが故にバイクの形状はその延長線上にあります。バイワイヤシステムがそれを打ち壊す存在になるかもしれないとは、言い過ぎでしょうか(笑)?