マグラの内蔵ブレーキコンセプトバイク

マグラの内蔵ブレーキコンセプトバイク

マグラ・MCI

マグラのこだわりが爆発しています(笑)。

マグラが開発した油圧ホース同士を繋ぐイージーリンク。今後内蔵ブレーキが普及すれば各社必須の部品になるだろう

https://www.vitalmtb.com/news/press-release/Magura-Concept-Bike-Build-The-Cleanest-Handlebar-Ever,3565

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昨年のショーに出ていたマグラの内蔵油圧ブレーキの完成車組み込みバージョンです。MCIはマグラ・コックピット・インテグレイションの略です。

いやいや、流行の内蔵のレバーを残してマスターシリンダーをハンドル内部に納めてしまうとは……。何を考えて居るのでしょう(笑)?

メリットはハンドルバーがすっきりすること。簡単な理由ですがかなり重要です。今やハンドルバーに取り付けたい機器は多彩です。ブレーキレバー、シフトレバー、フロントサスペンションコントロール、リヤサスペンションコントロール、ハイトアジャストシートポストコントローラー、サイクルコンピューター、ライト。Eバイクであればモーターコントローラーも。いくらフロントシングル化で左シフターがなくなったと言っても、これだけもモノがひしめき合っています。これらを整理するためにも、内蔵化は悪くないアイディアです。二つ目に転倒時などのアクシデントで破損のリスクが減ること。ハンドルバーという強固な外殻に守られることになるのですから、悪くない位置移動です。ハンドルバーの穴は、おそらくそこまでデメリットにはならないでしょう。カーボンであればそこら辺の積層を変えることで問題を克服できます。

逆にデメリットは? それは……、メンテナンス性でしょう。レバーとマスターシリンダーは分かたれることとなり、わざわざ組み付け時に組み立てる必要があります。交換時にかなり手間取ることは目に見えています。加えてこのコンセプトバイクのようにブレーキホースを、ハンドル、ステム、フレームと通さなければならないとしたら。そしてエア抜きもバイクを丸ごと傾けなければなりません。ケーブルを中継ぎ出来るようにジョイントを用意しているのは親切ですが……。私がメカニックならちょっと逃げたいですね(笑)。

今、バイクはMTBもロードも問わずに内蔵がトレンドです。まあ、エアロバイクは分かります。少しでも速くというのが彼のバイクの宿命ですから。しかし……、エントリーグレードロードや、クロスバイク、果てはMTBまでケーブル内蔵が進んでいます。これは基本的に電動ブレーキ、油圧ブレーキ化が進んだからでもあります。忘れ去られていますが、内蔵ワイヤは基本的に摺動抵抗が高くなります。ロードが数年前から20年近く(多分オーバーサイズアルミの時代の始まりから)に内蔵から外回しに変わったのは手元変速の普及とも兼ねてそこら辺も理由です。なので数年前からリヤディレーラーのスプリングは強くなっています。

まあ、コンセプトモデルです。使い道はこれからさらに模索されることでしょう。私のような人間が想像もできないような面白いものを見てみたいですね。

 

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