GTリヤサスペンションバイクの開発史

GTリヤサスペンションバイクの開発史

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これは貴重な動画です。

GTの黄金時代、それのサスペンション黎明期の記録です。創始者を始め、そうそうたる人物が登場します。中でも、

↑ゲーリー・ターナー

 

↑リチャード・ロング

この二人はMTB史に残る人物です。GTバイクの製作の始まりはイニシャルから分かるように元楽器職人のゲーリーなのですが、会社としてのGTを伸ばしたのはリチャードです。彼の手腕は凄まじく、ガレージメーカーだったGTを世界有数の総合バイクメーカーにのし上げました。MTBのみならず、BMXもロードバイクもトラックバイクも製作し、それぞれがオリンピック選手に用いられるほどの完成度を誇りました。

ただ残念なことに彼は1996年になくなってしまいます。これがGTに及ぼした影響は……、とてつもないモノだったのは容易に想像が付きます。安売りの量販店の店頭に並び、ブランドイメージはかなり落ちてしまいました。そしてGTはパシフィックに買収され、現在ではパシフィックごと買収したドレルの傘下にあります。個人的な印象としては、ドレルグループになってからはかつての輝きを取り戻し、良い傾向に戻ったように見えます。実際、iドライブ後期型とAOS、復活したLTSは完成度が高そうです。

そして驚きなのが、RTSを発売する以前のリヤサスバイクが動画に出て来たことです。今ほどネットが普及していた時代でもありませんから、ショップでマウンテンバイクアクションやほかの海外雑誌を読みあさっていましたが、ちょっと記憶にありません。リヤエンドのシートステー側にピボットがありますから、シングルピボットタイプのサスペンションですね。メインピボットはBB同軸というところがGTのこだわりですね。ショックアブソーバーはエラストマーでしょうか? 多分販売には至ってないと思います。

そしてGTのみならずMTBの歴史に燦然と輝く革命的リヤサスペンションバイク『RTS』です。RTSとはロッカー・チューンド・サスペンションの略であり、ノリーンのショックと相まって勝利を量産したバイクとして記憶しています。上の錆びだらけのフレームはプロトタイプでしょうか? ハイピボットでリンクを介したショックへの入力という主な構成要素はすでに確立していたようです。初代RTSは前三角がアルミでリヤ三角がクロモリでした。このフレームの前三角を置き換えたのでしょう。

今の視点で見れば、前三角が大きすぎてハンドルも狭く低い。MTBはまだまだXCの縛りを振り切れていませんでした。ウェアもプロテクションも怖さすら感じます。それでもカミカゼトレイルなどで超高速を出すなど凄かったことには変わりありません。

他にも大好きだったマイキーこと、マイク・キングやRTSの開発者ジム・バズビーも出て来ます。

必見です。

 

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