GTリヤサスペンションの開発史その2

GTリヤサスペンションの開発史その2

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その2です。結構早く来ましたね。起こりの1だけ載せれば良いかなあとも思ったのですが、こちらも。理由は私がGTが好きだからというのもありますが(笑)、見事にMTBサスペンションの歴史も映し出しているからです。ホルストデザイン(ターナー、スペシャライズド形式)やローウィルデザインといった今にも十分通じるサスペンションが登場しています。

今回はRTSの次のLTSとSTSが登場します。LTSとは『リンクス・チューンド・サスペンション』の略です。前回のRTSのシングルピボット形式から一転、リヤエンドシートステー側にピボットがあるバーチャルピボット形式になりました。ほぼ同じ構造であるアンプなどがショックユニットを前三角に配置していたのに対して、LTSはシートステーのシートチューブ側に配してリヤ三角だけでサスペンションの挙動を行わせていたのが特徴でした(復活した現行LTSはショックを前三角下部に配置している)。LTSにはショックをマウントしているリンクがチタンとアルミ、後期型のアルミ角形(シートチューブ屈曲型)など多くのバリエーションがあり、レースもコンシューマーユースに置いてもMTB界を席巻した名作と言って良いでしょう。

そしてSTS。これだけGTの名前の法則としては異端です。『シングル・チューブ・システム』の略であり、サスペンションではなく、前三角のサーモプラスチックのことを現しています。ここを1本のチューブで繋いでいるというのがSTSの売りでした。ただ、この時代のカーボン技術は未だ未熟であり、かなり製品にばらつきがあったのを憶えています。重量も肉厚も均一とは言い難かったです。今のカーボンフレームのように中を覗くとつるっつる……、なんていうのとは縁遠いモノでした。サスペンション自体は見ての通りLTSそのままです。難点も多かったですが、チューブの交点をアルミラグで作り、それをカーボンと一体で成形するいう非常にユニークなモデルでもありました。

そして最後にロボが見えます。基本的にはLTSのシステムそのままであるのですが、ショックユニットをプル形式に移行し、DHにおける反応性を高めたモデルでした。

いずれも印象に残るバイク達ばかりです……。

 

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