GTリヤサスペンションの開発史その3

GTリヤサスペンションの開発史その3

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まあ、ここまで来たら最後まで……。

冒頭にその2に出て来たロボが出て来ます。確かロボはロボットから取ったのではなく、狼王ロボからだと記憶しています。なのでLOBOなのです。そして多分GTサスペンションで最も長かったiドライブが登場します。 

この形式はかなり革新的だったと思います。それまでのサスペンションは、ホルストリンクもローウィルシステムもシングルピボットも基本的にクルマやモーターサイクルのものを焼き直したものが大勢でした。ところがiドライブはBBとリヤエンドとの位置関係をペダリングというモーターサイクルにはない要素を加味して考えたシステムなので、自転車専用サスペンションというところに価値があります。

ペダリングを重視したリヤサスにはURTも挙げられます。これはユニファイド・リヤ・トライアングルの略で、BBとリヤエンドを一体化することでペダリングロスを減らすという考えでしたトレック・Yフレームやカタマウント、クライン・マントラなどが有名なのですが、肝心のスタンディングの時に動きが阻害されがちになってしまうので、歴史の彼方に去っていきました……。

↑カタマウント

そして動画の中で興味深いものがありました。

これです。

iドライブのプロトタイプとして出て来ました。確かにリヤ三角とBBにiドライブの特徴があります。ですが、これはトレック・Yフレームです。なるほど、他社のものですが試作に用いていたようです。まあ時効でしょうけど、とんでもないものをさらりと見せてくれますね(笑)。

そしてiドライブは後期型になります。

前記型と形状はかなり異なりますが、基本の理論は一緒です。

iドライブはフローティングBBという形式に属します。これはBBを前三角とリヤエンドから独立させるものです。マーヴェリックやマングースなどが相当します。ここまでシルエットが変わっても同じ形式という説明に登場当時は随分と悩んだモノです(笑)。

最後にはアサートン兄弟が開発に携わったASOがチラ見せされています。次もきっとすぐでしょう。

 

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