カーボンDHバイクの自作風景を見てみよう

カーボンDHバイクの自作風景を見てみよう

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いやいや、見事です。

完全に自作の範囲を超えています。このイージーコンポジットの動画はよく見ています、MTBの製作が出て来てびっくりしました。そしてその完成度にも。しばらく見ていると、どこかで見た気が……、

The Very Best Bits of Bespoked Bike Show 2019

そうです。昨年見ました。この御仁です。正直どこかのエンジニアで、個人的に施設を使わせてもらったりしたんじゃないかと思って居ました。彼の名はウラジミール・ヨルダノフ。ブルガリア出身ですが、イギリスに工業デザインを学ぶため移り住んだそうです。これ以前にもロードバイク、トライアスロンバイクを作っているのだとか。そして満を持してDHバイクとのこと。

 

一番最初の樹脂製のオス型はまあ個人では無理です。このサイズを請け負ってくれる所も少ないでしょう。どこかに頼んでもかなりな高額となります。しかし金属型よりは圧倒的に安価です。

そしてここからが個人で作るときの本番です。この樹脂型を用いてカーボン製の外型を作っていきます。こういったFRP製の型はワンオフのエアロパーツなどでよく用いられます。金属よりも耐久性は落ちますが、小規模な量産にはもってこいです。その後プリプレグを貼り込み、ブラダを仕込み、全体をエアバッグで覆い、空気を引きながらオーブンで加熱します。オーブンと言うには余りにも簡素ですが、イージーコンポジットは80度ほどで硬化する低温硬化プリプレグを販売しているので、それ用でしょう。

そして完成したパーツ達を接着する……、完成です。決して簡単とは言えません。しかし個人レベルでフルサスペンションバイクを製作できるというのは夢物語だと思う人も少なくないと思います。私も似たようなタイプです。なので、半分信じられないような思いです(私は金属をザグって切って削って溶接して……、というのがフレーム作りというイメージがあるので)。

ひょっとすると、未来ではカーボンの方がフレーム作りにとっかかり易いなんてことがあるのかも……?

 

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