ハイエンドMTBボトムブラケットが満を持して、ケーンクリークから!

ハイエンドMTBボトムブラケットが満を持して、ケーンクリークから!

ケーンクリーク・

ヘルベンダーネオボトムブラケット

MTBハイエンドパーツの雄、ケーンクリークから遂にBBが登場します。

 

 

これが今回のヘルベンダーBBのキモとなるSKFの『MTRXベアリング』


https://www.pinkbike.com/news/randoms-day-2-core-bike-2020.html

https://www.pinkbike.com/news/cane-creek-hellbender-neo-bottom-bracket-eurobike-2019.html

Hellbender Neo Bottom Bracket

https://www.canecreek.com/product/hellbender-bottom-bracket/

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昨年ユーロバイクで見かけた時から書きたかったパーツの一つです。

遂にケーンクリークからもBBが登場します。しかもMTB用として。これは左右のカップがスリーブで繋がることもさることながら、ベアリングにSKFのMTRXベアリングを採用することでより一層防水防塵性に優れたBBとなっていることが理由です。

しかしその一方、犠牲となっている部分もあります。どうやらこのヘルベンダーネオ、回転がそこそこ重いらしいのです。通常のシールに加えて、ベアリングの一つ一つの全周囲に潤滑性があるとは言え抵抗となるモノがあるので当然と言えば当然です。しかしこの二重構造によってジェット噴射によっても潤滑性が損なわれないというタフネスさを手に入れたようです。これ、結構凄いことです。

そのSKFのMTRXベアリングなのですが、潤滑性のある樹脂を保持器の上からさらに充填することでより一層の密閉性を実現しながらも回転を維持しています。素晴らしい技術ではありますが……、

https://www.ntn.co.jp/japan/index.html

はい、ほとんどNTNのポリルーブと同じに私は見えます(汗)。ポリルーブの素材は超高分子量ポリエチレンにLi鉱油系グリースを含ませたものです。SKFもそこまで違いはないと推測します。強いて言えば、NTNより潤滑樹脂が表面を覆うようになっているところでしょうか? これもNTNにはすでにあり、同社ではスポットパックとフルパックと用途によって使い分けられています。……、まあバイク用BBでポリルーブを標準で採用しているものを見たことがないので、早い者勝ちということで!

回転は結構重くなっていることでしょう。最近流行のセラミックベアリングBBなどと比べたら、対極にあるような製品です。ですが……、脚で回した場合、そこまで分からないと思います。ママチャリなどの回転部は硬いイモグリスなどを用いるため手で回すと重いですが、踏めば何も分からない、それと同様かと。なのでケーンクリークはタフネスさ重視のMTB用だけで出してきたのでしょう。MTB用はこの30ミリシャフト以外にもシマノ用などが直に揃うと推測されますが、ロード系は相応のリクエストが無い限りかなり先と私は踏んでいます。

基本的にヘッドパーツを作れるメーカーはBBは作れます。特にケーンクリークはクリスキングとタメを張れるくらい高品質な製品を作れます。しかし出してきませんでした。そこは……、やはりケーンクリークならではの個性が必要だったのでしょう。そして数年前に手に入れたeeブレーキによってラインナップに加わったeeウイングスチタンクランクの影響も大きいかと。フロントシングル時代の到来によってこの二つにでクランク回りが完結することになり、サードパーティのものとして存在感を示すことになるでしょう。私も余裕があるなら手に入れたいパーツの筆頭です(笑)。

今、回転系のハイエンドパーツはグリスレス運用のセラミックベアリングが一般的になりつつあります。そんな中でケーンクリークは敢えて耐久性に軸足を振ったヘルベンダーネオを出してきました。それはMTB遊びにとって何が大事なのかということをケーンクリークが問いかけているようにも思えます。

さすがバイクオタク集団、ケーンクリーク、やることが違います!

 

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