2021フォックスに新シリーズ『38』が登場! 他

2021フォックスに新シリーズ『38』が登場! 他

フォックスが新たな進化を迎えようとしています。

□ファクトリー□

□パフォーマンスエリート□

□エリート□

□Eバイク□

 

 使用されるダンパーはフィットグリップ2

 

ダンパーをコントロールするノブ

ワンポイントファイブテーパーコラムはクラウン圧入部が楕円形に。剛性を保ちつつ少しでも重量減を目指す。これは38だけの加工だ

ブレースは今までの上部がフラットな台形のような形からなだらかな円を描く一般的な形状に

 

内部の圧力が高まった時のため、プレッシャーリリース用のブリーダーを備える

 

新たに開発された『フローティングアクスル』

重量は2450グラムと普通の範囲内に納められている

■スペック■
○ホイールサイズ 27.5or29er
○トラベル 160〜180mm
○ダンパー グリップダンパー2 with VCC
○スプリング エヴォルエアー
○インナーチューブ 38ミリ カシマコート(ファクトリー)
○アウターチューブ マグネシウム 15×110ミリフローティングアクスル
○重量 2180グラム(公称)


https://www.vitalmtb.com/features/2021-FOX-Suspension-Lineup-Unveiled,2856

TEXT

フォックスMTBフォークの新ラインです。従来のエンデューロフォーク36のインナーチューブ径を2ミリ上げた38です。当然重量も上がりますが、それ以上に高剛性化を求めた結果でしょう。

ステップキャスト32が2017年モデルで登場したので、4年ぶりの追加です。フォックスは長年『34』『36』『40』でやってきました。40はDH専用ダブルクラウンフォークですから、実質34と36だった訳です。10数年そうだったのにここに来て規格追加です。込められた意味の重さが伺えます。

最初は嘘かなあとも思ったのです。一見36と見分けが付かなかったので。ところが……、

『38』!!! 本当だったのです! 似たようなフォントに斜め線を入れられたら分からないじゃないですか(笑)。

インナーチューブ外径のオーバーサイズ化はたった2ミリ。しかしかなり大きな2ミリです。ここを規格変更すると劇的に剛性が上がります。インナーチューブが32ミリ径になった時、本当に世界が変わりました。そしてそれに対応出来なかった王者ロックショックスは初代パイクがリリースされるまで長い雌伏の時代過ごしたのです。

この38の登場が物語るのは世界レベルのエンデューロの過激化です。加えて29erエンデューロの定着、ブースト規格の一般化によるタイヤのワイド化などもあります。日本で走って居る限りは36ですらほとんどのコースで過剰スペックです。38は36に比べて、横剛性31%、前後剛性17%、ねじれ剛性38%向上しています。今のフォークは振動を収束できないということなどありえませんのでちゃんとセッティングすればガレ場ではじかれることもないでしょう。しかし小柄な人や女性はあえて同様にモデルチェンジした36でもありかと。

グリップダンパー2にVVCテクノロジーを搭載したとか、ロワーレッグの溜まった圧力をリリースするブリーダー、エヴォルブ化してネガティブエアーを増やしたフロートスプリングなど話題に事欠かない38ですが、一番注目しているのがフローティングアクスルです。一見、なんてことのないこのエンド、ハブとエンドとの接触面を調整することが出来るのです。……大したことない? いえいえ大ありなのです!

スルーアクスルはシャフトが剛性の要です。しかしハブの寸法、特にOLDが正しくないとサスペンションに歪みが生じ、設計通りの動きが出来なくなる可能性があります。ブレースによってアウターが繋がって居たとしても、やはりゆがみは発生します。ゆがみが生じないことにこしたことはありません。フォックスは片側のスルーアクスル固定部に可動式のスリーブを仕込み、どんな精度のハブでも対応出来るようにしました。これがフローティングアクスルです。さすが大手のフォックス、素晴らしい目の付け所だと思います。

全体的に使い手を選ぶ内容となっていますが、性能はぴかいちでしょう。加えてメンテナンス体制もばっちりというところがフォックスの美点です。下り系バイクを作りたくなるフォークです。

他にも36と40、リヤショックのDHモデルが変更となるようです。

36シリーズ

40シリーズ

リヤショック

フェンダー

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