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我々がなかなか見ることの出来ないフレームの中身。もし見れるとしたら……、事故で真っ二つになった時でしょうか? 何十万もするフレームが……。おお、なんと恐ろしい!
そんな場面には遭いたくないですが、中身はちょっと見てみたいというのも人情でしょう。
カタログでは一応使用されているカーボン、一部のメーカーではUDかMDかも表記されて居ます。主にUDですね。しかし外側から分からないのはレイヤードです。一体どのようにプリプレグを積層させているか? 専門家ならある程度推測できるでしょうが、我々のような素人には見て解説されないとわかりません。
この動画では貴重な内側を見ることが出来ます。ここでピックアップしたのはピナレロ・ドグマです。パイプ部分には編み目が見えませんのでUDカーボンということです。ですがヘッドチューブ、BB部、ボトル台座など、ねじれたり複雑な応力が掛かりそうなところにはそれらに対応出来るようにMDカーボンを貼り付けています。ここでカーボンが裂けてしまうリスクを削減しているのでしょう。なるほどなるほど。もちろん内部や外側の層にMDカーボンを使用している可能性もありますけど。やはり各メーカーの努力は易々と目には見えませんねえ。
違うフレームですが、これも内側にMDカーボンを貼っている例です。そして白い部分は接着剤ですね。切断すればワンピースなのか3ピースのか、ラグなのか一目瞭然です。
そしてこれも外からは見えませんが、フロントフォークのキャリパーブレーキ台座部に縦に補強のリブが入っています。ブレーキングパワーを逃がさないようにする工夫です。
そしてこんな風にブラダを削除しきれていない例なんかも……(苦笑)。
私はMDカーボンを貼ってあるのを感心していましたが、あえて張っていないという設計も当然ありです。そこら辺の割り切りもレーシングバイクならコンセプトの違いと言って良いかと。
基本的には古めのフレームが多いです。最新のフレームは数グラムを削るために内部のブラダによる樹脂のしわもキレイに掃除していることがほとんどです。ですが勉強になりますね。
貴重な動画です。