3Dプリンターによるクッション構造を採用したフィジーク・アンタレスヴァーサスエヴォ00アダプティブ

3Dプリンターによるクッション構造を採用したフィジーク・アンタレスヴァーサスエヴォ00アダプティブ

フィジーク・アンタレスヴァーサスエヴォ00アダプティブ

 

 

https://www.matosvelo.fr/index.php?post/2984/essai-de-la-selle-fizik-antares-versus-evo-00-adaptive-quasi-sur-mesure

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おお! 遂にこんな時代が!!!

フィジーク・アンタレスヴァーサスエヴォ00アダプティブというえらいこと長い名前のサドルです(笑)。まあアンタレスは個別名でそのほかもどういう機能を採用したモデルかということなので仕方ないのですが。アンタレスアダプティブとでも略しますか。

プラスチック(液体ポリマー)をラティス構造にしてカーボンベース上に設置することで軽量性と快適性を両立したサドルです。ラティスとは『格子』という意味です。トラス構造の発展形とも受け取れますね。世界最軽量のマテリアルを作り出すのにも使われる構造です。探査機ハヤブサ2の自壊タイプのショック吸収部に採用されているものもこれです。

ここまで細かい工業製品は基本的に3Dプリンターでなければ出来なかったものです。まさに時代が生み出した構造体です。

表面状は六角形が連なったハニカム構造のようにも見えますが、下の部分まで一体成形されているのが今までなかったところです。

このクッションと表皮の一体化した形状はフィジークだけのものではありません。スペシャライズド・パワーSミラーもかなり近いです。というか同じ会社が大元を製造しているらしいので同じと言ってしまっても良いかもしれません。

https://www.specialized-onlinestore.jp/shop/g/g27120-8503/

製造しているのはカーボン社で用いられる技術は『デジタル・ライト・シンセシス』。パワーとは表面が異なりますが中の構造は同じだそうです。表面は各々のこだわりが反映されているのでしょう。スペシャが穴が全面にありつつもかなり小さいのに対して、フィジークはかなり大きめな穴に見えます。通気性とホールド性はフィジークの方が良さそうですね。もちろん座ってみないとわかりませんが(笑)。

もちろん形状が異なるので、フィジークを好む人、スペシャを好む人が別れるのは当然です。しかし最先端のスポーツサドルのために様々な技術を追求した結果、同じ所に行き着いたというのはとても興味深いです。

ちょっと似て非なるモノにタイオガ・スパイダーがあります。

https://tiogajpn.com/products/saddle/sdl30700.html

樹脂をしならせる構造という点では先駆者でしょう。このサドル、ベース一枚というちょっと座るのに躊躇してしまう形状をしていますが、実はかなり快適、そしてお手頃で軽い(カーボンレールモデルで120グラム)と優秀なサドルです。

話を戻します。

アンタレスアダプティブのベースはカーボンで、ワイヤベースはメビウスモノコックカーボンレールと名付けられた一体成形の楕円レールです。サイズはちょっとわかりづらかったので、スルーしました。まあアンタレスヴァーサスエヴォとそこまで変わりないでしょう。

しかし価格は違います。390ユーロと来ました。革サドルなどを含めても最高級クラスです。これは最先端技術の結晶と言えますから妥当かと。ラティス構造は決してそこまで沈み込まず快適性を保ち滑ることもないのだとか。ちょっとレーサーパンツに対するダメージが気になりますが、すでにプロチームのテスト済みとのことですから一日で破けてしまうということはないでしょう。

色にも寄りますが、着けるバイクを選びそうな気もします。ですが本当に快適なら関係ないでしょう。スペシャだとそのままヨーロピアンバイクなどに取り付けるのはためらわれますが、サドル専門メーカー製ならそいういったこともありません。

要チェックなサドルです。

 

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