ピナレロ・ボリデTR+、TR
なんだか、各社からTTバイクがぞくぞくと出て来ています。まずはピナレロから。
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ピナレロのデザインはアーチシェイプを全面に押し出した時代から曲線重視のデザインをしていましたが、今回もその伝統を踏襲するようです。トポロジー最適化的なデザインにも見えますね。最近のエアロロードは直線主体になってきたので、ある意味個性的に映ります。
ステム後部、前三角底部にストレージボックスを取り付けるのはUCI規定を無視したトライアスロンバイクによく見られるデザインですが、このボリデも同様に採用。また先代はブレーキをカバーが覆っていましたが、今回はディスクブレーキを採用したのでもちろんありません。ここは各社、苦心のしどころなのでディスクブレーキになることにより、助かっているとも言えます。ボリデはディスクブレーキのみの展開。フロント100×12ミリ、リヤ142×12ミリでいずれもスルーアクスルです。フレームだけの交換の人は、ホイールも気をつけないといけません。
ヘッドチューブは35ミリ高くなり、シートアングルが78度と起こしたことでより前乗りが容易に。BBハイトが下がっているのはより長距離での走りを重視したからでしょう。またチェーンステーが395ミリというディスクブレーキ時代にはかなり努力した短さです。これなら反応性は悪くないでしょう。
TR+とTRのの違いはカーボンの差だそうです。TR+が上位モデルとなり東レ・T1100UDカーボン製、TRが東レ・T700UDカーボン製とのこと。
空力面ではあまり強い主張はありませんが、数年前にジャガーと手を組んでいることから高度な風洞実験を行っていることは間違いないでしょう。大手のバイクメーカーは自社で風洞施設を持つかクルマメーカー、または研究機関と手を組んでいることは当たり前のようになっています。昔からエアロバイクは存在しましたが、今回のエアロブームが1ジャンルとして定着するようになったのはここら辺の科学的な証明の賜物かと。
このピナレロ・ボリデもその力を感じさせてくれる一台です。