キャノンデール・レフティオチョ
うわあ、これはびっくりです。数年前にラインナップから姿を消していた、フレームとはまた違ったキャノンデールのもう一つの顔レフティフォーク。2019年、復活します。しかもシングルクラウンという一層の軽量化を成し遂げて!
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●スペック
■サイズ 27.5、29er
■トラベル 100ミリ
■アウター カーボン or アルミ
■インナー NA
■ダンパー ニューチャンバーダンパー 低速コンプレッション&リバウンド リモートロックアウト
■スプリング エアスプリング
■重量 カーボン:1515グラム、アルミ:1735グラム
オチョと合わせて発表されたF-Si。MTBにおけるキャノンデールの看板を背負う一台
ディスク台座は横から見えるボルト頭を緩めるとワンタッチで取り外すことが出来る。これによってレフティは従来よりも素早く前輪が交換できるようになった。
ディスク台座の変遷過程。アイディアの段階から最終形状がある程度固まっていたことがわかる。右側の横断歩道状の物体はニードルベアリングの保持器。レフティには代々回転止めのためニードルベアリングが用いられる
ニードルベアリングの受けとなる平らな面があるインナーチューブ。従来は4面を押さえる構造だったがオチョは3面を押さえる構造に
おそらくリヤショック並の径を持つピストン
新型のフローティングピストンを用いたダンパー内部
シングルクラウン化への過程。倒立形式は一貫していて、クラウンとアウターが一体化したカーボン製となったのが最終手段と言うべき段階なのがわかる。片持ちフォークとしてのキモとなる部分だろう
アルミモデルも。徐々に型で製造していく過程がよく分かる。スルーシャフトとインナーチューブは一体成形! アウターとクラウンもアルミモデルであっても一体成形。とんでもない技術だ
https://www.pinkbike.com/news/cannondale-ocho-first-look-development.html
Cannondale unveils redesigned F-Si hardtail and radical Lefty Ocho suspension fork
https://www.cannondale.com/en/USA/Products/ProductCategory.aspx?nid=49ab3f0b-b39d-4081-87da-3bee738046f6
https://www.facebook.com/RideCannondale
https://www.bike-magazin.de/mtb_news/teile_zubehoer/neue-cannondale-lefty-ocho-federgabel/a38950.html
TEXT
いやいや、これは不意打ちです。でもうれしい不意打ちです。モーターサイクルでもそうなのですが、今のショックユニットは複雑すぎてバイクメーカー単独では優れた製品を製作することが出来ません。専門メーカー、さらにはそこを解析するメーカーとともに勧めるのが一般的です。そんななか、キャノンデールは独創的フロントフォーク・レフティをさらにコンセプトを突き詰める形で復活させました。もちろんキャノンデール製フレームとジャストマッチでしょう。ある意味そのためだけに誕生したと言っても良いのですから。いや、素晴らしい。
指揮を執ったのはスティーブ・エクスタンス。今のキャノンデールのサスペンションのチーフです。現在のキャノンデールはスタッフを絞っているようです。おそらくそれが逆に生きたのではないでしょうか? エンジニアのコンセプトを生かし切った、そういった印象を受けます。
1515グラムというのは新型のSID(1537グラム)、34(1590グラム)を下回ります。これだけだとほんのわずかですが、リモートロックアウトも含まれている数字という話なので、実は一つだけ単体で1400グラム台に突入しています。その一方で剛性も相当高いらしく、34やSIDと比べても圧倒的に優れるそうです。これは以前のレフティからの美点ですね。
ニードルベアリングはレフティではお約束。ただし個体差があるので、極薄のシムなどで調整する必要があります。ここがレフティの性能を引き出し切れた固体が少ない由縁です。一般的なMTBフォークとは全く異なるので、扱ったことがない店ではどうにもなりません。このベアリングを使うショックはバハ等で使用するオフロード車で使われます。ニードルベアリングとテーパーローラー型があり、あちらでもセッティングは非常にシビアです。その代わり剛性は抜群だそうです。ああ、このオチョの剛性の高さの理由はここにもありそうです。
新型のフローティングピストンがとても気になります。キャノンデールはダンパーを作るのが正直言って苦手でした。故にフォックス、マニトウ、マグラなどの専門メーカーに旧レフティのダンパーを作ってもらっていました。しかしこのオチョは違います。今までのボブ・スラウ(Bob Slaw)に加え、ジェレミー・ブーバー(Jeremiah Boobar)を設計に迎えています。彼は誰? と思ったので調べました。
げげげっ! 元ロックショックスのプロダクトマネージャーじゃないですか! しかもどうやら今のロックショックス・ハイエンドフォークの基幹となるチャージャーダンパーの開発者っぽいです! ……とんでもない人を連れてきましたね。
密閉型になるこのダンパー。倒立フォークのメリットを生かして、かなり大きめに作られています。XCに特化したフォークというのは軽さも重んじるためダンピングオイルなども少なめに設計することもあるのですが、そういったものは激しいトレイルライドで一時的にせよ抜けてしまうことがあります。しかしオチョくらいの容量があれば、そういった心配はなさそうです。さらにピストンを二つに分割することで、ロックアウトをスムーズに行えるようにしています。
これはおそらく、キャノンデール史上最良のダンパーに仕上がって居る、ひいては最強のフォークに仕上がって居る可能性大です! シングルクラウン云々ではなく、一つのXCフォークとして最強のものが出て来たのではないでしょうか?
2019年モデルと書きましたが、最初に上市されるのは確かにそうなんですが、それは完成車だけのようです。単体では2019年ミッドモデルか2020年以降になるようです。
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