スラム・SXイーグル
これは……、スラムがシマノのとどめを刺しにきたのかもしれません。
□リヤディレーラー□
□シフター□
■その他 マッチメーカー非対応
□クランクセット□
■チェーンリング 32T
□チェーン&カセットスプロケット□
■歯数 11~50T
■フリーボディ シマノHGタイプ
SRAM SX Eagle brings even more affordable 1×12 mountain bike drivetrain
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まだスラムから正式に発表されていないようですが、XX1、XO1、GX、NXに次ぐスラム第5の1×12速コンポとなるようです。ただ立ち位置としてあまり明らかになってはいないので、一般市場への販売ではなくOEMオンリーとなるかもしれません。エントリーモデルはそういうこと往々にしてありますから。
比べてみましょう(最近多いような……)。
左XX1、中央SX、右NX
https://www.sram.com/sram/mountain/eagle
50T対応なので、ちょっとだけちか違わないだろう。むしろNXとは同じでは……。と思って居たのですが結構違います。ワイヤをセットするアウター受けの部分が上位のイーグルはプーリーを回することでパンタグラフ部に滑らかに導いているのですが、SXにはそれがありません。歯先に追随するためのXホライゾンデザインは採用されています。もちろんクラッチ機構は付いていますし、チェーンリングはワイド&ナロー形状ですからチェーン外れのリスクは最小限に抑えられています。
他にもシフターにブレーキレバーと一体化出来るマッチメイカーは非対応などちょいちょいコスト削減の形跡が見られます。その代わりクランクセットがブーストエンドに対応するなど、最新規格に対する準備は怠っていません。カセットスプロケットは10TトップながらもシマノHGカセットボディ対応なので、廉価なハブを採用したホイールでも問題ないでしょう。もうMTBの主導権は握っているはずなのに、スラムは慎重ですね(苦笑)。ですが正しい判断かと。
合計金額はおよそ340ユーロと見込まれているとか。約4万5000円となります(122円換算)。……正直安いとは言いません。グレード的にはもっと安くて良いはずです(しかしこれはどこまでの合計金額かは不明)。シマノで言えばアリビオにこのSXは相当します。アリビオは多くのラインナップがありこれだという価格は出しにくいのですが、一応上記のリヤシフター、リヤディラーラー、クランクセット(ホローテック2)、チェーン(HG52、アセラ相当)、カセットスプロケットの合計金額を出しました。約2万円でした。もう倍以上です。海外製ということを鑑みてもどう考えても同じ価格帯で勝負にはなりません。
しかしです。アリビオは3×9速、もしくは2×9速のモデルです。はい、リヤが3枚も違うのです。ベテランからすればこのグレードのパーツにそこまで求めてもしようがないと思ってしまうところですが、この価格帯を買うのはまず間違いなく初心者です。エントリーグレードでも上位機種と同じ段数! というのはこの上なく魅力的でしょう。さらに言うならば、基本は同じなのですから、パーツを一つ一つ交換していくことも出来るわけです。そして……、余ったパーツで死んでしまったフレームを甦らせることもできるかもしれません。なにせ段数は最新モデルと同じなのですから。
最新のフレームは基本的に1×12速ドライブトレインを前提に設計されています。それに余すことなく対応したスラム・イーグルシリーズはただでさえシマノを圧倒しているMTBコンポ市場でさらなる猛威をふるうことでしょう。XTRのデリバリーがかなり滞ってしまったシマノはかなりの苦境であると言えます。もちろんSXとXTRは価格が違いすぎて単純に比較するものではありません。ですが1×12速を見たときに、やっと投入したシマノと5グレードのラインナップを整えたスラムとではもう場を支配する力が大人と子ども以上になりつつあります(もうなっているという説も……)。それをこのSXを通したスラムからアリアリと感じるのです。せめてセイントとZEEの新型でも見れればフォローのしようもあるのですが……。ロードは置いておいて、スラムの力を感じさせるコンポです。